感謝は指先で

金曜・中国デーです♪
 
中国では、ある程度のレベルのレストランに行くと
食事中、こまめにお茶を注いでくれます。
食べながら、いちいち「謝謝(シェシェ)」と
言うのは正直面倒です。
 
こんなとき、中国人はどうしているかというと、
特に何も言わず、ただ人差し指と中指で
3、4回テーブルをトントンと軽く叩いています。
これで謝意を表しているのです。
なぜこんなジェスチャーが生まれたのでしょう。

 
中国最後の王朝「清(しん)」の時代のことです。
清朝の最盛期を担った、乾隆帝(けんりゅうてい)
(在位:1735~95)という皇帝がおりました。
乾隆帝
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彼は精力的に海外遠征を行い、
かつ漢詩作りを日課としている、
まさに文武両道の名君でした。
 
 
そして民の暮らしぶりを
視察するために、わずかの供をつれ
庶民の格好をして、お忍びで
街へ出かけることも度々ありました。
 
 
視察の途中、ある街で一行が
茶館に入ったときのこと。
 
 
 
 
注ぎ口が長ーい独特の急須を使って、曲芸のように
茶を注ぐ給仕がいました。
それを見た皇帝は、自分もやってみたくて
しょうがなくなり、供の者たちに自ら茶を注ぎ始めました。
 
あわてたのは供の者たち。
皇帝陛下に茶を注がせるなど、
家来にとっては、あってはならないこと。
しかしここで畏れ入ってしまえば、
陛下の身分がバレてしまう!!
 
当時、皇帝への挨拶は「三跪九叩頭」といって、
“ひざまずいて、額を3度地面にこすりつける”
ことを3回繰り返す、大仰なものでした。
しかしここでそれはできない。
 
そこで供の一人が、
指を自分の体に、指先を頭に見立て、
テーブルの上で指にお辞儀をさせたのです。
 
そのときは何のことやらわからなかった
皇帝は、後で事情を聞いて大笑いしたとか。
 
この苦肉の策から生まれたお辞儀が
現在にまで生きているのでした。
 
   ☆      ☆      ☆
 
さて、来週水曜、10月10日から
上野の東京国立博物館
「中国王朝の至宝」展が始まります。
国史の総復習にもってこいです。
12月24日まで。
HPhttp://china-ocho.jp/
 
また中国展のチケットを買うと、
同時開催の「出雲 ~聖地の至宝~」展にも、
入場できてお得です!
11月25日まで。
HPhttp://izumo2012.jp/
 
私も両方行きます♪