ムセイオン11 満鉄の遺産

金曜・中国デーです。
ムセイオンと題して、毎回我が家のがらくたを紹介しているわけですが、本当の意味で歴史的遺物と呼べるのは、もしかしたら今日ご紹介する小さなグラスだけかもしれません。
 
戦前、日本が支配していた中国東北部遼東半島に、日本が経営権を握る南満州鉄道(略して満鉄)が走っていました。長春から旅順まで。)
この鉄道会社は、かつてのイギリス東インド会社が単なる貿易会社ではなかったように、日本の満州経営全般に大きな影響を与えていました。
 
大連に残る旧満鉄本社ビル↓
 
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満鉄が経営していた大連の「旧・やまとホテル」↓
(現・大連賓館。リットン調査団も泊まった。)
 
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戦後60年以上たったいまも、当時満鉄が使っていたマーク付きの食器や工具などが中国・東北地方には多く残っていて、中国人はその“負の置き土産”を日露戦争ゆかりの場所などで日本人相手に売っています。
 
もはや新たに生産されることのない満鉄グッズは、いま、店頭に並んでいるものがなくなれば終りです。
私は「旧満鉄本社」の内部を見学したさいに、ミュージアムショップで
このグラス↓を購入しました。
 
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満鉄のマークがついています。丸みを帯びたMは頭文字。
中央の I のような棒は、レールの断面を表します。
  このマークは旧満鉄本社の隣の、中国鉄路局の敷地内にある
マンホールのフタにも残っています↓。
(前庭なので部外者でも見られます。)
 
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同様の満鉄マーク付きマンホールを、大連でもうひとつみつけました。
それは満鉄の花形機関、「特急あじあ号」が保存されている車庫の中です。
来週の金曜・中国デーでは、この「あじあ号」を紹介します。