コルドバのメスキータ

スペイン旅行記のつづきです。
コルドバのパラドールに1泊し、
翌日はコルドバ観光とマドリードへの移動です。
 
まずは「花の小道」と呼ばれるユダヤ人街を散策。
しかしコルドバの見所は、なんといっても
世界遺産「メスキータ」↓。

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メスキータとはモスクと言う意味。
もともとは8世紀に創建されたイスラム教の寺院で、16世紀にキリスト教の教会に改造したものです。ここでしか見られない、2つの宗教の建築が融合したユニークな建物。
 
入り口をくぐると、たくさんの柱が並ぶ広くて薄暗い空間。
ここは「柱の森」↓。
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柱と柱の間は二重アーチになっています。
増築を繰り返し、最盛期(10世紀)には1012本もの柱があり、一度に6万人もの信者が礼拝できる巨大モスクでした。
 
奥へ進むと、人だかりがあり、
柵の向こうに鍵穴の形の「ミフラーブ」↓があります。
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ミフラーブは、聖地メッカの方角を示す印。
偶像崇拝を禁じるイスラム教の寺院には、神の像も、開祖ムハンマドの像もありません。ムスリムの皆さんは、ミフラーブの方向に向かって礼拝をします。
 
しかもこのミフラーブ、全面モザイクで装飾されています。
アラビア文字も唐草文様も、きらきら輝く黄金の部分も、
すべて小さな色タイルをはり合わせて作ってあるのです。
ぜひ、オペラグラスをご持参ください。細部までじっくり見ると、圧巻
このようなモザイク壁画は、ビザンツ帝国
(5~15世紀・現在のトルコが中心)が得意としていました。
実はこのミフラーブも、わざわざビザンツ帝国から職人を呼びよせて作らせたのです。
 
さらに奥へ進むと突然、光のあふれる明るい空間が出現します。キリスト教の教会です。広いモスクのど真ん中に教会が作られ、当然モスクは一部が破壊されました。
 
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この大改築にさいして、時のスペイン国王カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)は、現地を見ずに改築計画にGOサインを出しました。そして工事の途中、ここを視察した王は、愕然としてつぶやきました。
“このようなものとは知らなかった。
どこにでもつくれる教会のために、
世界に1つしかない建物を壊してしまった・・・。”
教会建設工事は急遽、規模を縮小され、モスクの破壊は最小限に抑えられました。
現在、柱の数は856本になっています。
 
メスキータ見学ののち、我々はツアーを離団して、ぶらぶらと土産物店を物色。そして、私が行きたかった旧ユダヤ人住居に向かいます。
 ・・・続きはまた今度。