ムセイオン16 パピルス

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まだ紹介していなかったのがフシギなくらいメジャーな一品。
世界最古の紙、パピルスPapyrusです。
この言葉が変化して、英語のペイパーPaperになりました。

発祥はエジプトですが、古代地中海世界で広く使われました。
ナイル川流域に生えるカヤツリグサの一種。
古代エジプトでは下エジプトの象徴でもありました。
なんと茎の断面が三角!これは私もエジプトで実物を見て
初めて気づきました。
触った感じはちょっとやわらかい竹のよう。
表面はつるつるしています。
 
ではここでパピルスの作り方講座です。
茎の青い皮を取り除き、水につけてふやかします。
中の繊維質の部分を薄~くスライスします。
それをのしてぺったんこにしてから、少し端が重なるように
タテに並べ、次にその上からヨコに並べます。
布の上から叩き、繊維同士を密着させます。
重石をしてしばらくおき
、最後に乾かします。
 
エジプト旅行では定番のお土産です。
しおり大(写真左)のものが1枚1ドルくらい。
ちょっと高いけど外国人価格としての許容範囲。
少し前にカイロ空港で、A5サイズ
くらいのものが
2ドルでした(写真中央)。
しかしこれが、日本国内の「エジプト展」的な展覧会の
グッズ売り場になると、A5サイズで1800円くらいになります。
 
エジプトの街中で売られているものは実はニセモノも多いです。
パピルスではなく他の植物の繊維を使った模造品です。
ある程度の大きさのものの場合ですが、
一番簡単な見分け方はその端を見ること。
はしっこが不ぞろいでガサガサしているのが本物。
スパッとまっすぐ切ってあるのがニセモノ。
・・・と言われています。
 
ちなみに下は、国営のパピルス工房で購入した本物。
A3くらいの大きさ。ほら、はしっこがガサガサ。
国の証明書つきで2000円くらい(絵柄にもよる)。
 
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エジプトなど中東の商売人の売り方で面白いのは、
「高い!」というと値段を下げずに商品が増えることです。
日本人は、欲しい個数が大体決まっていて、
なるべく安くで手に入れたいわけですが・・・。
 
例えばA3くらいのパピルスの束を持った男が近づいてきて
10枚でセンエン(¥1000)、と言います。
「ノーサンキュー」と言うと、追いかけてきて
じゃあ15枚でセンエン、20枚でセンエン、
30枚センエンでどうだ!!
こんなに安いのになんで買わないんだ!!(逆ギレ)
 
・・・そんなにたくさんいらん!ていうか
そんなに安くできるんなら、やっぱニセモノだよね?
要するに向こうは現金が欲しいわけ。
エジプトでは値段がなかなか下がらなくなったら、
じゃあこれも付けて!
ついでにこれもおまけにつけて!
と言うのも作戦の一つです。