2013-02-18 ムセイオン17 アショーカ王石柱碑 ムセイオン #歴史 アショーカ王(中国語表記では阿育王)というのは 古代インドの最古の王朝、マウリヤ朝の最盛期の王様。 若いころは戦いの中でかなり残虐なこともしていましたが、 あるとき仏教に帰依し、それからはお釈迦さま(仏陀)の教えを 広く普及させるべく尽力しました。 彼は、仏陀の教えに基づく自分の統治理念を 詔勅として刻んだ磨崖碑や石柱碑を、北インドの各地や 仏教の聖地に作らせました。 今日の一品は、その石柱碑の木製ミニチュアです。 インドで購入しました。 頭部には背中合わせに座る4頭の獅子。 その足下には法輪。法輪はお釈迦さまの説法が、 まるで転がり続ける車輪のようにあまねく世に広まる、 という意味です。その下にはベルのような形の蓮弁。 実際のものは継ぎ目のない円柱と装飾を合わせ、 全長13メートルほど。現在15の柱が見つかっています。 このライオンの姿は、今でもインドの紙幣の片隅に 印刷されています。 さてお釈迦様が亡くなると・・・ (関連記事:http://blogs.yahoo.co.jp/moralehistorya/31581975.html) 遺骸は死後7日目に荼毘に付され、 その遺骨すなわち仏舎利は、8つに分割されて仏舎利塔に 納められました。 アショーカ王はそのうちの7つから仏舎利を取り出し、 新たに84000もの塔を建設して分骨しました。 仏舎利塔のことをサンスクリット語でストゥーパと呼びます。 この言葉が日本に入って卒塔婆(そとば)になりました。 ストゥーパそのものも、ちゃんと日本にありますよ。 お寺にある塔といえば? そうです。五重塔は巨大な仏舎利塔です。 塔の中央の心柱の下に、まさしく米粒(しゃり)ほどの大きさの 仏舎利が納められているのです。 つまり五重塔は正真正銘の仏陀のお墓。 これからはお寺に行ったとき、金堂や講堂にある仏像だけでなく、 五重塔にも手を合わせてくださいね。