ムセイオン17 アショーカ王石柱碑

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アショーカ王(中国語表記では阿育王)というのは
古代インドの最古の王朝、マウリヤ朝の最盛期の王様。
若いころは戦いの中でかなり残虐なこともしていましたが、
あるとき仏教に帰依し、それからはお釈迦さま(仏陀)の教えを
広く普及させるべく尽力しました。
 
彼は、仏陀の教えに基づく自分の統治理念を
詔勅として刻んだ磨崖碑や石柱碑を、北インドの各地や
仏教の聖地に作らせました。
今日の一品は、その石柱碑の木製ミニチュアです。
インドで購入しました。
 
頭部には背中合わせに座る4頭の獅子。
その足下には法輪。法輪はお釈迦さまの説法が、
まるで転がり続ける車輪のようにあまねく世に広まる、
という意味です。その下にはベルのような形の蓮弁。

実際のものは継ぎ目のない円柱と装飾を合わせ、
全長13メートルほど。現在15の柱が見つかっています。
このライオンの姿は、今でもインドの紙幣の片隅に
印刷されています。
 
さてお釈迦様が亡くなると・・・
遺骸は死後7日目に荼毘に付され、
その遺骨すなわち仏舎利は、8つに分割されて仏舎利塔
納められました。
アショーカ王はそのうちの7つから仏舎利を取り出し、
新たに84000もの塔を建設して分骨しました。
 
仏舎利塔のことをサンスクリット語ストゥーパと呼びます。
この言葉が日本に入って卒塔婆(そとば)になりました。
ストゥーパそのものも、ちゃんと日本にありますよ。
お寺にある塔といえば?
 
そうです。五重塔は巨大な仏舎利塔です。
塔の中央の心柱の下に、まさしく米粒(しゃり)ほどの大きさの
仏舎利が納められているのです。
つまり五重塔は正真正銘の仏陀のお墓。
 
これからはお寺に行ったとき、金堂や講堂にある仏像だけでなく、
五重塔にも手を合わせてくださいね。