Farewell!The IRON LADY

イギリスのサッチャーThatcher元首相が87歳で亡くなった
というニュースを聞いたのは今月8日の深夜でした。
メリル・ストリープ主演の、彼女の伝記映画が公開されたことは
まだ記憶に新しいでしょう。本物そっくりの話し方が話題になりました。
 
簡単にサッチャーの生い立ちを振り返ってみます。
マーガレット・ヒルダ・ロバーツは1925年生まれで、
エリザベス女王より1歳年上。
父親は食料雑貨店を営みつつ、市議会議員や市長も務めた人物ですが、
マーガレットは首相になってからも
“食料品屋の娘 Grocer's Daughter”と陰口を叩かれることがあったようです。
 
14歳のころに第二次世界大戦が勃発。
オックスフォード大学を出て、26歳で下院議員選に初出馬するも落選。
落ち込んでいる彼女を慰めてくれた
実業家のデニス・サッチャーと28歳で結婚し、男女の双子を産みました。

34歳で下院議員に当選し、50歳で保守党党首に。
その翌年1979~90年までの11年間、英国首相を務めました。
「鉄の女」というあだ名はソ連がつけたものです。
首相在任中の政治・経済政策については激しく評価が分かれ、
また皆さんもニュースで聞いていると思うので割愛。
 
いや、ひとつだけ補足させてください。
1982年のフォークランド紛争のとき、イギリス軍は勝利したものの、
255名の犠牲者を出しました。子供を持つ母でもあるサッチャーは、
その戦死者全員の遺族に対し、自らペンをとってお悔やみの手紙を書きました。
 
彼女がいつも身につけていたパールのネックレスは
子供が生まれたときに夫のデニスから贈られたものです。
また青いスーツを着ている姿が印象的ですが、
青は保守党のイメージカラー。ちなみに労働党は赤。
保守党はかつてトーリーと呼ばれていたので、いまも
イギリスではそう呼ぶことがあります。
 
イギリスの首相官邸といえば、
ダウニング街10番地(10 Downing street)」。
この前で首相が演説や記者会見をしている映像をよく見ますね。
私も鉄柵の間からのぞいたことがあります。
この建物は、イギリス初の首相とされるロバート・ウォルポールに、
時の国王ジョージ2世がプレゼントしたもの。1732年のことです。
 
さて、サッチャー元首相の葬儀は来週の水曜17日です。
世界各国から2000人を招待し、女王夫妻も列席する国葬級の葬儀が、
セント・ポール寺院で行われます。
女王が元首相の葬儀に出席するのは、あのチャーチル以来です。
セント・ポール寺院は、チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式が
執り行われた寺院。正面にはアン女王の像が立っています。
ロンドンのどまん中の狭いところに建つ馬鹿でかい教会なので、
外観全体を写真に収めるのに苦労した覚えがあります。
 
明日の午前中にはBBCサッチャー特番をやります。
きっと葬儀の中継もあるでしょう。見なければ!!
 
最後にサッチャー語録より。
「言ってほしいことがあれば、男に頼みなさい。
やってほしいことがあれば、女に頼みなさい。」