ムセイオン20 トロイの木馬

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連休3日目、いかがお過ごしでしょうか。
私はどこにも行かず、ゴロゴロ~ゴロゴロ~、
「あーあ、親父がトム・クルーズだったらなあ」
(byずん飯尾/現実逃避シリーズ)
 
私のかかりつけの歯医者の先生は
この連休を利用して、夫婦で1週間トルコへ行かれるとか。
てなわけで拙著「トルコ周遊記」を宣伝すると
さっそくお買い上げくださいました。ありがたや。

カッパドキアでは洞窟ホテルに2泊し、
気球にも乗るそうで、かなりいいツアーですな。
しかしながらトロイには行かない!
ええ!と驚く私に先生は
「だって、なんにもないんでしょ?」
・・・まあ・・・ねえ。
古代遺跡なんてそんなものです。

最初の写真は、トロイ遺跡の近くのホテルで購入した
木馬のミニチュアです。
もうひとまわり小さいものもありました。
 
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↑遺跡のそばに再現された木馬。
 
最近はコンピューターウィルスの名にもなっている
トロイの木馬について、ごく簡単に紹介しましょう。
 
トロイはいまでこそトルコの一部(北西部)ですが、
古代にはギリシア文明圏にありました。
有名なトロイ戦争は紀元前1200年ごろのこと。
トロイの王子パリスがスパルタの王妃ヘレネをさらって
自国に連れ帰ったところから戦争が始まります。
 
スパルタ側はギリシア連合軍を結成し大船団でトロイへ来襲。
堅固な城壁に守られたトロイは敵の攻撃によく耐え、
戦争は10年にも及びました。
 
しかしギリシア側の英雄オデュッセウスの策略により、
巨大な木馬の内部に身をひそめたギリシア兵らが
トロイへの潜入に成功。
ついにトロイは炎上、崩壊するのです。
 
詳しくはホメロスの「イリアス」をお読みになるか
映画『トロイ』『トロイのヘレン』をご覧ください。
 
ちなみに、このときにトロイから脱出してイタリア半島に落ちのびた
英雄アエネアスこそ、ローマの建国者ロムルスの遠い祖先です。
つまりローマ人は自らのルーツをギリシアに求めたわけで、
ローマ人がいかに、先進文明としてのギリシアをリスペクト
していたかを示しています。
 
この、伝説のトロイ戦争を、実際にあったことだと信じ込んで
トロイを掘り当ててしまった男こそ、ハインリヒ・シュリーマン
19世紀ドイツの素人考古学者。毀誉褒貶はげしい人ですが
少なくとも、トロイ文明をはじめとするエーゲ文明の解明に
ひとつのエポックを画したことは事実です。
 
エーゲ文明とはトロイ、ミケーネ、クレタの3文明を指します。
ギリシア本土のミケーネも、エーゲ海に浮かぶクレタ島も未踏の地。
行きたいところが多すぎて、お金も時間も足りない!
ゴロゴロ~ゴロゴロ~。
「あーあ、3億円落ちてねえかなあ。」