ムセイオン21 ロゼッタ・ストーン

イメージ 1
 
あれ、まだ紹介していなかったっけ?
というくらいむかーしから我が家にある、
ロゼッタ・ストーンのペーパーウェイト」です。
イギリス、ロンドンの大英博物館で買いました。
縦9センチ程度、厚さ1.5センチ程度で、要するにミニチュア。
 
あまりにも有名な石ですが、改めてご紹介。
1799年にナポレオン軍の一兵士によって
ナイル河口の町ロゼッタ(ラシード)で発見されたこの石碑は、
古代エジプト象形文字解読のきっかけとなったものです。
 
ここには3種類の文字が刻まれており、
上から古代エジプトの絵文字であるヒエログリフ(神聖文字)、
真ん中にヒエログリフを簡略化したデモティック(民用文字)、
一番下に現在も使われているギリシア文字
が刻まれています。
 
まずは現在も使われているギリシア語の部分を読むことで
文章自体の意味が判明。
紀元前195年に作られたもので、国王プトレマイオス5世
を称える内容でした。
 
3種類の文字で同一の内容の文章が書かれていると仮定し、
ギリシア文字とヒエログリフをあらゆる面から比較検証することで
謎の文字だったヒエログリフの仕組みを解き明かしたのが、
フランスの、語学の天才シャンポリオンです。
 
幼いころから中東のあらゆる言語に精通していた
シャンポリオンは19歳で大学の助教授に就任。
32歳のときにヒエログリフの解読に成功しました。
その日、彼は兄のもとへ駆けつけ
「わかった!!」と叫んだとたん、気を失って倒れ、
その後5日間眠り続けたそうです。
 
ロゼッタストーンについては、その解読史と
シャンポリオンの伝記をミックスした
ロゼッタストーン解読』(新潮文庫
という本がおすすめです。なかなか面白い。
シャンポリオンはパリのペールラシェーズ墓地に眠っていますが、
その墓石は古代エジプトオベリスクの形です。
 
さて、ナポレオン軍(フランス)が見つけたロゼッタ・ストーンが、
なぜイギリスにあるのでしょう。
それは、その後の戦いでナポレオンがイギリスに負けたから。
戦利品としてイギリスに運ばれ、いまもロンドンにあるわけです。
 
PS テレビ東京の「137億年の物語」がやっと歴史時代に入りました。
前々回はシュメール人、前回はハンムラビ法典がとりあげられ、
次回はトロイの木馬(ムセイオン20を参照あれ)が登場します。
日曜の午後6時半から、ぜひ見てください。