古代ギリシア料理を食す

アテネで、古代ギリシアの料理を再現しているレストランに
行きました。
「アルヘオン・ゲフシス(古代の味)」というこのお店は
かつて『世界ふしぎ発見!』でも『137億年の物語』でも
紹介されたことがあり、アテネに行くときは絶対ここで
食事をしようと決めていたのです。
外観↓
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中の様子↓
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情報では、はじめに当時の衣装を着せてくれるはずだった
古代ギリシア人コスプレ!)のですが、あいにくこの日は
男性スタッフしかおらず、女性スタッフがいないと
女性客の着替えはできないと言われ、コスプレの夢は潰えました(涙)。
 
メニューはすべて、古代アテネが繁栄を極めた紀元前5世紀の
料理の再現。当時のギリシアにないものは使っていません。
つまりインドの胡椒、新大陸(アメリカ大陸)原産の
トマト、ジャガイモ、なす、トウモロコシ、とうがらし
などはでてきません。
 
さて、何をオーダーしたかといいいますと。
まずはワイン。甘口と辛口がありましたが、ちょっとした
勘違いで、わたくし甘口を頼んでしまいました(汗)。
お食事はサラダ、チーズのフライ、メインにポークソテーを頼みました。
こんな感じ↓
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ポークはまだ来てません。
食器はすべて素焼きの陶器。ここに黒い絵があればまさに
古代の「黒絵式」。
ワインは右端のピッチャーに入っています。
ワインを飲むカップも陶器。チェイサー(水)つき。
パンとオリーヴは勝手についてきます。
 
ちなみに古代ギリシアでは、ワインは水で割って飲むものでした。
おそらく今のワインよりアルコールが強かったのだと思います。
ワインを割らずに飲むと「生酒(きざけ)呑み」と言われ
「大酒のみ」「酔っ払い」と同じような悪い意味になりました。
 
さて今回頼んだこのサラダは「エウゾメア」と呼ばれ
ルッコラとレタスが主。そこに干しイチジクやアプリコット(あんず)を
小さくカットしたもの、レーズン、ザクロ(一粒ずつほぐしたもの)、
ナッツ類、ヤギのチーズが混ざっており、蜂蜜ベースのドレッシングが
かかっています。
画面中央のチキンナゲットのようなものは、チーズのフライ。
ベリー系の甘酸っぱいソースがかかっています。
ケチャップではありません。
 
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メインのポーク・パンチェッタのソテー(一切れ食べた後)↑
は「クレオカカボス」と呼ばれる料理。
厚切りの豚ばら肉をこんがり焼いて、
蜂蜜、タイム(ハーブの一種)、お酢でつくったソースを
かけてあります。つけあわせはマッシュしたヒヨコマメ
 
もうお分かりかと思いますが、味付けは全体的に、甘い!
もしくは甘酸っぱい。ベリーや蜂蜜をよく使っています。
サトウキビは新大陸原産なので、紀元前のヨーロッパに
砂糖はありません。
 
実は古代ギリシアでは、手で食事していました。
というわけで我々も手食にチャレ~ンジ!
うーん、インドネシアのジャワ島でパダン料理の小さな食堂に
入ったとき以来ですなあ、手食。
意外といいもんですよ、手食。
このお店では一応、ナイフ、フォーク、スプーンなどを
出してくれます。当時は存在しなかったものだよ、と念を押しつつ。
 
古代ギリシアには男性たちが集い、寝椅子に横たわって食事を楽しむ
シンポシオン(饗宴)という習慣がありました。
このレストランにはシンポシオンコースという宴会コースもあり、
寝椅子に身を横たえて食べることも出来るようです。
↓左にあるのが寝椅子。
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いや~楽しいひとときでした。
またアテネに行く機会があれば、今度こそ古代ギリシア
衣装をまとって、今回とは違う料理を頼んでみたいです。
給仕のお兄さんたちも親切で、観光客向けの店なので英語も通じます。
アテネでちょっとしたタイムスリップ体験、いかがでしょうか。