一神教の誕生

「片付け」は順調ですよ。
これまでは同居人に「あなたの“片付けた”は
右のものを左にやっただけでしょ!」
と言われていましたが、ついに
「なんでも捨てすぎて、後悔しないように!」
と心配されるまでになりました。
さて、片付けで忙しいので、今日は短めに。
 
5月のNHKEテレ「100分 de 名著」は『旧約聖書』でした。
テキストを買おうかな、と思ったけど、中を見てみたら
ほぼ知っていることだったので買いませんでした。
番組ではユダヤ教がどのようにして成立したかを中心に、
エッセンスがキレイにまとめられていました。
 
私は講師の先生(男性)が小指にはめている大きな黒い石の
指輪が妙に気になりました。
話し方も独特で、やっぱり宗教を専門に研究している人って
ちょっと変人気質なのかな・・・なんて(笑)。
 
それはさておき。
今日はユダヤ教とそこから生まれた宗教のおさらいをしましょう。
 
旧約聖書』はもともと、というか今でも、『トーラー(律法の書)』
と呼ばれるユダヤ教聖典です。
キリスト教ユダヤ教から生まれたがゆえに、
キリスト教徒たちがイエスの教えを書いた新約聖書と区別して、
それ以前の聖典を勝手に“旧約”と名づけました。
 
旧約とは神がイスラエル民族(ユダヤ人の祖先)との間に結んだ
古い約束(契約)、という意味。
新約とは神がイエスを通じて全人類との間に結んだ
新しい約束(契約)、という意味です。
なので「訳」が古いとか新しいという意味ではありません。
 
モーセが神から十戒を授かったのは、紀元前1250年ごろ。
その後、バビロン捕囚と呼ばれる民族的苦難を経験した
ヘブライ人(いまのユダヤ人)によってユダヤ教の信仰が確立された
のが紀元前6世紀ごろ。
古代オリエントでは珍しい、一神教の誕生です。
 
そしてユダヤ教から、キリスト教が生まれます(紀元1世紀)。
さらにのち、ユダヤ教の影響を多分に受けたイスラム教が
誕生します(紀元7世紀)。
この3つの一神教は、まったく同じ神を信仰しています。
ユダヤ人やクリスチャンが「ヤハウェ」と呼ぶ神を、
ムスリムは「アッラー」と呼んでいるだけ。
根っこは同じ。
 
しかし解釈が微妙に異なり、例えば・・・
ユダヤ人は、父祖アブラハムが神ヤハウェに捧げようとしたわが子は
妻サラが産んだ次男イサク(=ユダヤ人の祖先)だと言い、
アラブ人は、イブラヒームが神アッラーに捧げようとしたのは
侍女ハガルが産んだ長男イシュマエル(=アラブ人の祖先)だ
と考えています。
 
ちょっと難しくなってきたので、今日はココまで。
結局のところ同じ神様を信仰しているのに、
いがみあっているなんて、変なハナシ、というお話でした。