失われたアーク

本日、13日の金曜日という不吉な日に
映画「ノア 約束の舟」がいよいよ公開になりました。
 
旧約聖書ノアの箱舟伝説は、実は元ネタがあり、
古代メソポタミア最古の叙事詩
ギルガメシュ叙事詩」のなかにそっくりな話があります。
おそらく、洪水自体は本当にあったのだろうと
考えられます。
 
ノアとその家族が乗っていた箱舟は一体どこへ
行ったのでしょうか。
トルコ東部アララト山という山があり、
その中腹に舟のような形をした地形(大地のしわ)があるため、
かつては、それこそが洪水が収まってから箱舟が乗り上げた跡では、
と考えられていました。
しかし箱舟はその名の通り箱型(直方体)の舟であり、
アララト山に残された跡は葉っぱの形なので、
現在ではこの説は否定されています。
 
ノアの箱舟のことを、英語でARK(アーク)と呼びますが、
この言葉は、もうひとつ別の箱を意味することもあります。
それは「契約の箱」です。
 
「契約の箱」とは、十戒を納めた箱のこと。
モーセは、神自身によって十の戒めが刻まれた2枚の石板を
神から授かりました。その石板を納めた櫃のこともまた、
アークと呼ばれています。
かつて映画「インディージョーンズ」のシリーズに
「レイダース/失われたアーク」という作品がありましたので、
ご存知の向きもあろうかと思います。
 
この契約のアークは、寸法も材質も細かく定められており、
フタの上に向かい合うように2人のケルビム(天使)が
デザインされています。
また箱を動かすときには必ず、箱の下部にとりつけられた
長い2本の棒を持たねばならず、
動かさないときにもこの棒を取り外してはならない、
とされています。
これは日本のおみこしによく似た構造です。
 
このアークには敵を滅ぼす恐ろしいパワーがあるとされ、
エスにまつわる聖遺物などと同様、
手に入れたものは世界を征服できるといった
尾ひれとともに様々な物語を生み出しました。
 
アークはソロモン王が建てたヤハウェ神殿に安置されていましたが、
ソロモンの王国が分裂のすえに滅亡すると、
その行方はわからなくなりました。
アークの消息についてはいろんな説がありますが、
いずれにせよ、世界史最大のミステリーといえます。