「300」の時代

映画『300 帝国の進撃』の公開を控え、
ギリシア史をちょっと復習。
HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/300movie2/index.php
 
えー、ギリシアの歴史は紀元前3000年ごろに
始まるわけですが、“エーゲ文明”と呼ばれる
最初の2000年分は飛ばしまっせ。
これまでに何度か触れたトロイ文明も、エーゲ文明のひとつです。
 
アテネやスパルタといった有名なポリス(都市国家)が
成立するのは紀元前8世紀ごろ。

アテネといえば、パルテノン神殿に神々の彫刻、哲学の発展に
世界初の民主政の確立と、学芸に秀でた国。
スパルタはその名の通り、厳格な軍国主義教育によって
全男子市民をギリシア最強の戦士に作り上げる、質実剛健の国。
両ポリスは正反対の性格なので、普段はあまり仲がよくない。
 
~戦場でのひとコマ(想像)~
 
アテネ兵1 「まったく、お前たちスパルタ人は脳みそまで
筋肉でできておるのだろう!この筋肉バカの殺人マシーンめ!」
 
スパルタ兵 「なんだとお!なよっちいアテネ人め!
詩だあ?哲学だあ?そんなもんが喰えるか!
こちとら、てめえらみたいな急ごしらえの軍隊とは
わけが違うんだ!
おい、そこの兵士、お前の職業はなんだ!」
 
アテネ兵2 「わ、私は陶工だ。陶器を焼いている」
アテネ兵3 「私は彫刻家だ。大理石から神の像を造っている」
アテネ兵4 「私は農民だ」
アテネ兵5 「私は弁論術の教師だ」
 
スパルタ兵 「スパルタ人よ、お前らの職業はなんだ!」
スパルタ兵たち 「生まれながらの軍人だー!!」
 
あ、いかん、いま仕事の締切りに追われているので、
ちょいと現実逃避してしまった。
ほんの一部『300』からパクリましたが。
 
当時ほとんどのポリスに常備軍はなく、平時は一般市民で、
戦時に重装歩兵に早がわり、というのが常識でした。
そのために市民は、スパルタほどではありませんが、
ちゃんと普段から戦争の訓練をしています。
アテネには陸軍と海軍があり、スパルタは陸軍のみ。
 
そんな犬猿の仲であるアテネとスパルタも、
共通の敵に対しては、同じギリシア人として団結します。
紀元前5世紀に起きたペルシア戦争がその例です。
 
現在のトルコからイランにかけてを支配していた
大帝国アケメネス朝ペルシアがギリシアに来襲。
緒戦のマラトンの戦いはマラソンの起源になった
ことでも有名です。(この話は別の機会に。)
 
そして次に、100万ともいわれるペルシア陸軍を
たった300人のスパルタ精鋭部隊が迎え撃ったのが
テルモピュライの戦い。その様子を描いたのが
映画『300』です。
原作はアメリカン・コミックス
ニューヨークの書店でゲットしました。
 
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なかはこんな感じ。映画は原作の雰囲気そのまま。
ストーリーもかなり忠実に再現しています。
 
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主役のレオニダス王をはじめとする
300人のスパルタ兵はここで玉砕。
なので『300 帝国の進撃』は続編といっても
主人公が交代します。
次にペルシア艦隊を迎え撃つのはアテネ艦隊。
明日はこのサラミス湾の海戦で活躍する
新たな主役を紹介します。