筋肉男VS残虐女

昨日の続きです。
タイトルは、『300 帝国の進撃』の予告編からいただきました。
筋肉男とは、スパルタ人ではなくアテネ海軍の将軍
テミストクレス
残虐女とは、ペルシア帝国軍の女司令官アルテミシア。
ここでは史実に基づいて2人を紹介します。
 
テルモピュライでスパルタ兵300人を全滅させた
ペルシア陸軍は、南下してアテネを占領。パルテノンを破壊します。
(いまのパルテノンはその後再建されたもの)
アテネ人たちはポリスから逃げ出し、男は軍船に分乗して、
得意とする海戦に備え、女子供は葦の小舟に身を隠します。
 
ペルシアは陸上、海上の双方からギリシアに攻撃をかけています。
いよいよペルシアの大艦隊がアテネ沖にせまり、これを、
アテネ人にとっては庭ともいうべき狭いサラミス水道に
誘い込んで撃沈したのが、将軍テミストクレスです。
今回の映画はこのサラミス湾の海戦を描いています。
 
当時アテネの軍港だったピレウス湾のそばには
いまも、テミストクレスの像が立っています↓
テミストクレス広場にて)
 
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一方のアルテミシアは、ハリカルナッソス(現トルコのエーゲ海沿岸)
を治める女独裁者。すでに青年に達した息子がいるにもかかわらず
夫の死後、独裁権を握りました。
しかし特に残虐だったわけではありません。
 
※約100年後の同じ場所に、同じアルテミシアという女性がいますが、
こちらはマウソロス王の妻であり、別人です。
過去の関連記事:
 
同郷のヘロドトスギリシア人の歴史家)の『歴史』によると、
アルテミシアは、やむを得ない事情からではなく生来の豪気勇武から
ギリシア遠征に参加。
ペルシアの全ての将官のなかで最も優れた意見を述べ、
それゆえにペルシアのクセルクセス王の覚えめでたく、
アテネ軍は彼女を生け捕りにした者に賞金を出す、としていました。
 
今回映画でアルテミシアを演じているエヴァ・グリーン(グレーン)
という女優さん・・・私、大好きなんです。
初めて彼女を見たのは『キングダム・オブ・ヘブン』という
十字軍をテーマにした映画でした。
 
またアーサー王伝説のテレビドラマ『キャメロット』でも
アーサーと敵対する魔女モーガンを演じていて、はまり役。

現代ものでは『汚れなき情事』という映画で、イギリスの
全寮制女子高の女教師をあやしく演じています。
エキゾチックな顔立ちで、独特の雰囲気があり、
今回のアルテミシアも期待できます。
 
ちなみに前作同様、今回の『300 帝国の進撃』もR15+指定です。
血がぶっちゃ~~と飛び散るのが苦手な方はご注意ください。
史実ではありえない、テミストクレスとアルテミシアの農耕な、
いや濃厚なラブシーンもあるようです。
 
明日はW杯ギリシア戦でみなさんお忙しいでしょうから、
ブログの更新はしません。
ついでに、ブログ記事も400に達したので、ここいらでちょっと
お休みをいただきます。
次は7月にお会いしましょう。
 
最後に、主役はスパルタなのに前作「300」に
便乗して稼いでいる、アテネのお土産やさんの様子を
ご覧ください(笑)。
 
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