WW1 100周年

ご無沙汰しているうちに、歴史上の大きな記念日が
ひとつ過ぎてしまいました。
 
6月6日は二次大戦のノルマンディー上陸作戦70周年でしたが、
今年の6月28日は第一次世界大戦勃発100周年でした。
有名なサライェヴォ事件が起きた日です。
 
日本ではあまり話題になりませんでしたが、
6月28日、BBCワールドニュースでは100周年のニュースが
大きく取り上げられていました。
 
こんな感じ↓
イメージ 1

1914年のこの日、オーストリア・ハンガリー帝国
皇位継承者であるフランツ・フェルディナント大公とその妃が、
支配下にあるボスニア・ヘルツェゴヴィナ州の州都サライェヴォを
訪問したさい、パレード中に車上でセルビア人に銃撃されました。
 
ちなみにフランツ・フェルディナントは、あのシシィ
(皇妃エリザベート)の夫である皇帝フランツ・ヨーゼフ1世
(在位:1848~1916)の甥にあたります。
 
実はこの6月28日というのは、中世に存在したセルビア王国
1389年にオスマントルコ帝国に敗れて滅亡した日
グレゴリウス暦)でもあります。
 
皇太子夫妻を暗殺した犯人はガブリロ・プリンツィプ。
当時まだ19歳のセルビア民族主義者でした。
プリンツィプらが属す、秘密結社「黒い手団」の墓(たぶん)↓
 
イメージ 2
 

世界戦争を惹き起こしたこの若者は、果たしてテロリストか、
それともセルビア人の英雄か・・・。
開戦から100年がたった今年、プリンツィプを英雄視する人々によって
彼の銅像が新たに立てられました。
 
除幕式↓
イメージ 3
 

オーストリア人からすると、甚だ不愉快でしょうね。
これを聞いて、韓国が新たに安重根の記念館をハルビンに建てる
という最近の話を思い出しました。
 
歴史を語るとき、伝えるとき、常に考えなければならないのが
「誰の立場に立つのか」です。
客観的な歴史、というものはありえません。
私たちは歴史を多角的に理解し、
英雄が、同時に侵略者・暗殺者・犯罪者にもなりうるのだ、
ということを知らなければなりません。