ユダヤ人とは誰か

今年は第二次世界大戦終戦70周年です。
先週の火曜、1月27日は国連の定める
ホロコースト記念日」でした。
ちょうど70年前のこの日、アウシュヴィッツ
ソ連軍によって解放されたのです。

ホロコーストについての話をすると、よく質問されることがあります。
それは、なぜユダヤ人は差別されるのか?
そして、どうやってユダヤ人とそうでない人と区別するのか?
です。
ユダヤ人差別のない国に育った日本の子供たちからすれば、
ごく自然な疑問だと思います。

前者については歴史を調べればわかることなので、
今日は後者について触れておこうと思います。

ユダヤ人とは「ユダヤ民族=ユダヤ教徒」のことです。
国籍は関係ありません。
そしてユダヤ民族は母系なので
ユダヤ人の母親から生まれた者」はみんなユダヤ人です。

ただし、最近は血筋的にはユダヤ人(ユダヤ系)でも、
もはやユダヤ教への信仰を持っていなかったり、
キリスト教など他宗教に改宗にしている人もいます。
逆に、他の宗教からユダヤ教に改宗すればその人も一応ユダヤ人。
誰でもユダヤ人になれます。が、これはごくまれな例。

ユダヤ教民族宗教です。特定の民族にのみ信仰される宗教を
民族宗教と呼びます。神道民族宗教の代表例です。
神道の信者イコール日本人だからです。

さてユダヤ人をどうやって見分けることができるのか・・・。
2000年間ヨーロッパを放浪してきて、ラテン系やゲルマン系、
スラヴ系など他民族との混血が進んでしまったユダヤ人を、
見た目で判別することは正直不可能です。
だからこそナチスは、ぱっと見て分かるようにユダヤ人に
黄色い星をつけさせたのです。
ユダヤ的顔立ち、というものがないわけではないのですが・・・)

ヨーロッパでは、自分の友人やコミュニティーの中にいるユダヤ人は
すぐに分かります。なぜなら日曜日に教会のミサに来ないからです。
また、イスラム教徒同様、ユダヤ人は豚肉を食べません。
なので、パーティーなどでベーコンや豚肉料理に手をつけない人は
ユダヤ人かもしれません。

次に名前。ユダヤ人のファーストネーム旧約聖書の人物に
ちなんだものが多いです。
男性ならダニエル、デヴィッド(ダヴィデ)、ソロモン、アブラハム
サミュエル、ジョナサン、ベンジャミン、アーロン、ネイサンなど。
女性ならサラ、ハンナ、ミリヤム、スーザンなど。
しかし聖書起源の名前はキリスト教徒にも人気なので、
上記のような名前だからといって100%ユダヤ人とは限りません。

そこで苗字。ユダヤ人は古代や中世には苗字がありませんでした。
近世以降、苗字を持つことが徐々に許されます。が、やはり
ユダヤ人専用の姓しか与えられませんでした。
例えば、アインシュタインの「~シュタイン」。
ユダヤの祭司を意味する「コーヘン」や「ラヴィ」。
他にフリードマン(平和な人)、ホフマン(宮廷人)、
カウフマン(商人)、ロスチャイルド(赤い盾)、
シュヴァルツ(黒)などが挙げられます。
欧米人同士は、苗字を聞けば大体、相手がユダヤ系とわかります。

他には、少年の場合、性器を見ればわかります。
ユダヤ人には「割礼」という習慣があり、生後8日目に
男性器の包皮を切り取るのです。
割礼を受けていればユダヤ人の証拠。

長くなりましたので今日はここまで。